北新地とは
日本を代表する花街
北新地といえば大阪を代表する、いや、日本を代表する花街として認識されている方が多いことでしょう。
ナイトクラブと呼ばれる水商売関連のお店を始めとする性風俗店が軒を連ね、関西エリアの中でも高級飲食店が存在しているエリアとして知られています。
大阪を北新地や梅田を中心とするエリアを区分けし、キタと愛称を用いて呼ばれていますが、その中の代表的なエリアであり、東の銀座、西の北新地というくらいに格式の高い花街として知られているのです。
【北新地エリアマップ】
●ラウンジ ●Bar
何気に変化をしてきた歴史がある
北新地は現在の堂島1丁目エリアを中心とした堂島新地というものが、江戸時代に誕生しました。
その後、曽根川が流れていたところが開拓され陸地となり、そこに堂島新地が新しくリニューアルされました。
更に、茶屋株を獲得したエリアが堂島エリアの一部であったため、せっかく広がった北新地のエリアが分割されるといった歴史をたどっているのです。
現在の形になったのはいつ頃なのか?
前述までの形は現在の北新地の姿ではなく、あくまでもお茶屋さんの域を抜けていない形でした。
それでは現在の北新地の形が出来上がったのはいつなのかといえば、それは昭和30年以降に訪れた高度経済成長期だと言われています。
この時期にバーやクラブ、キャバレーといったものが出来上がり、徐々に進化を遂げていき、現在の高級飲食店街という北新地の形が作られたとされているのです。
最初は誰でも通える安価なお茶屋が現在の高級飲食店街に生まれ変わったという歴史が北新地にはあります。
遊ぶなら知っておきたい!北新地で使用される用語
◆ 同伴
お気に入りのホステスと水入らずでゆっくりご飯を食べて、20時30分までに一緒にお店に行く
◆ 店前同伴
お客さんとご飯を食べる時間はないが、店の前か近くで待ち合わせて一緒に出勤。
これでも同伴ポイントがつくのでホステスには有難い
◆ 同伴には時間制限あり?
それが実はあるんです。お気にいりのホステスと同伴で店に入った場合は1時間30分がリミット。
フリーで店に行った際はほぼ2時間制でも、そのホステスを独り占めできる分、30分早く退店させられる。
すべての店がそうではないが嬉し、悲しきシステムである。
◆ 同伴ではなく同飯
経験の浅いホステスによると当初、同伴とはお客さんと同じご飯を食べてから、一緒にお店に行く。
これすなわち同じ釜の飯で漢字を繋ぐと同飯。
確かに間違いではないし、素人さんがそう思うのも無理はない。
◆ ダブル同伴
一人のお客さんとは早い時間帯に合流。
美味しいご飯をご馳走になって20時過ぎに一緒に出勤。
そして、暫く席について、今度は20時20分ごろに店前でもう一人のお客さんを迎えて再びお店に。
これで同伴ポイントが2点。
そんな器用なホステスは最近めっきり減ったような気がするが。
◆ 口座
気に入っているのはもちろん、その店に行くきっかけとなったホステスのこと。
いろんなお世話をしてくれるいわゆる担当。
飲みに行った時はこの女性の売り上げとなる。
◆ オーナーママ
読んで字の如くお店の経営者
◆ 大ママ
何人かいてるママの筆頭格
◆ チーママ
ママの下で働く会社でいえば管理職
◆ 黒服
店前での呼び込み、バーデンなどをする男子のこと。
文楽の黒子からきているとの説もあるが、だいたい黒いスーツを着ているのでそう呼ばれている。
大きな店ではイケメンが5、6人いてることも。
◆ チーフ
黒服を仕切っているボス、ホステスの出勤情報なども掌握している。
まさにママの片腕的な存在。
◆ レギュラー
毎日、お見せに出てるのはもちろん、自分びいきのお客さんを持っているやり手のホステス。
◆ ヘルプ
レギュラーではくOLや学生が週に2、3日、バイトでお手伝い。
◆ 大箱
大きな店のこと。
◆ 送り
お客さんが遅くまでいたため電車で帰れなくなったホステスを契約車で家までちゃんと送り届ける。
◆ 会社訪問
普段からお世話になっている会社に、ママと黒服が手土産をもって挨拶に行く。
◆ アフター
飲みにきた客がお店が終わってからママやホステスを連れて、ご飯に行ったりナイトの店やバーに行ったりすること。
◆ お持ち帰り
意気投合したホステスを連れて帰ること。最近は減ったが、昔はそのままホテルに直行もよくあった。
◆ ミネ
ミネラルウォーターのこと
◆ ママドリンク
最近は激減したが、ママがお客さんに『ママドリいただきます』といって自分専用の小さなグラスになにかわからないもの(ポカリスエットやオロナミンCやリポビタンDだったりすることも)をいれて一気飲み。
しかしながら、これが曲者。
安ければ一杯千円も、高ければ三千円以上が支払い伝票にきっちりつけられている。
まさにぼったくり、バブル時代の置き土産か。
◆ お化け
2月3日の節分の近辺に行われる仮装行事。
語源は京都・祗園の芸妓&舞妓さんが普段は着物だが、節分の日だけは私服で出勤。
いつもと違う格好に化ける、ノーメイク、すっぴんで化けるとかいろいろ説はあるが、その習わしを真似て女も男も変装した姿でお客さんをおもてなし。
◆ 夏限定
堂島船大工通りにあるそば処ときでは、夏になると売り出す冷やしカレーそばが超人気。
だいたい20時ごろには売り切れとか。
出勤前に食べる手はあるが、帰りの遅いホステスの口にはまずはいらない。
初夏から秋口までほんといい音色のする風鈴を売りにくるおっちゃんが現れる。
涼を求める水商売関係者や、OLさんらにも人気。ひと晩だけでもけっこうな数が売れるらしい。
北新地の通りの呼び名
◆ 本通り
最も道幅の広いネオン街のメインストリート
◆ 永楽町通り
国道2号線から新地に入ってすぐの細い通り
◆ 堂島上通り
本道りの南の筋、老舗のクラブが立ち並ぶ
◆ 堂島船大工通り
4本ある通りの一番南側、堂島川のすぐ手前
◆ たかじん通り
アナクラウンプラザホテル大阪の北側
東西の筋がやしきたかじんの功績を讃えてさる12月に命名された
◆ 永楽町北通り
国道2号線沿いにあるステーキのスエヒロの裏あたりから西に向けての短い通り。
その昔は近くに川が流れていたことからどぶ下通り、また、そのあたりは薄暗かったこともあって酔っぱらいの立小便の名所?、しょんべん通りとも呼ばれていた。
◆ 蜆楽(けんらく)通り
永楽町通りの真ん中あたり。
都島タクシーの乗り場のすぐ東側から本通りに抜ける幅2㍍ぐらいの路地。道の両サイドに若者向きの小洒落たショットバーや小料理屋、寿司屋等が所狭しと並んでいる。
かつてはそこに魚介類(マグロの脂)で出汁をとったラーメンの発祥とも言われた人気店・朱月(あかつき)があったが、知らぬ間に廃業?。
今はその後に味噌だれ餃子の専門店、紅鯨が入っている。
ちなみに一人前が14個で580円。小ぶりで外はパリッ、中が凄く柔らかくて、もちろん美味い。
◆ 東口女坂筋
永楽町通りの東、御堂筋に近いあたりから国道2号線に向けて幅2・5㍍、長さ約20㍍のなだらかな石畳の坂道。
その石畳は昭和40年代まで難波〓上本町間を走っていた市電、いわゆるチンチン電車の路面に敷き詰められていた大きな長方形の石を運んできて作られたとか。
◆ 北新地中筋
本通りから南に向けての通り。突き当たりがアナクラウンプラザ大阪。
その道沿いには高級クラブ、キャバクラなどもあるが、そば処の喜庵や、さくらあんぱんの店もある。